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★そら てんご★ 創作BLOG

私、そら てんごの創作物の紹介や日々徒然の想いを綴っていこうと思っています。

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SF連載小説「ハンドロイド・70」①

SF連載小説「ハンドロイド・70」①

 

雨が降っている。今は梅雨時だ。ここは京都のある工場の路地裏。

先ほどから俺たちは直立不動で、雨にずぶ濡れの状態で向かい合っている。どちらかが動けば戦闘開始の空気に満ちていて、曇った空が緊張感で張り裂けそうだ。

二人の距離間は約十メートル。

俺は正確には人間ではない。相手も人間の姿こそしているが、実は異星人である。つまりこのシュチエーションは人間同士のたんなる「喧嘩」ではない。命を懸けた戦闘だ。したがって人目につかない場所を選んで対峙している。

俺はジーンズにグレーのインナーシャツそれにNIKEのシューズ。相手は夏用の背広姿に革靴。どちらも雨を充分に吸いズブズブ状態だが、気にしちゃいない。

やがて四十年配の男はだらりとした両手を素早くこちらに向けた瞬間に、手首から先が変化して指先が真っ黒な大口径の銃口になり、すかさず実弾が連打された。

予期していた俺は横跳びに躰を捻り、壁際に倒れる瞬間に言ってのけた。

「おまん、俺を舐めたらいかんぜよ!」

つい、俺の潜在意識に隠してある『土佐弁』が躍り出た。興奮すると出てしまう俺の方言だ。俺は素早く左手を前に突き出して、人差し指と中指を正面に真っすぐ伸ばし、右手で左手首の一体型腕時計のスイッチを押す。すると瞬時に、左手首から先が銀色の電子銃に変化する。照準を定め、右手でサポートして銃を発射する。すると流れるように輝線を描いて、高電子の固まりがバッバッバッと放たれた。

「グァツ」

 低音で蝦蟇(がま)が潰れるような奇声を発して、男は凄い勢いで後方にはじけ飛ぶ。

 俺は立ち上がり男を探し、まだ息のある男の顔を目掛けて銀色の銃を構え、非常にも止めの固まりを打ち込む。男の顔が砕け散る。ここまでしないと異星人は死なないのだ。

 異星人と呼ぶよりも、実体は五センチほどの寄生獣と呼ぶほうが相応しいかも知れない。

 

二〇一二年十二月二十一日(金)の冬至の日が、マヤ文明の長期歴の予言による宇宙終焉の日であったことを、すでに貴方はお忘れかも知れない。

だがその予言は地球人類が勝手に解釈した誤りであった。実際二十世紀末の、ノストラダムスに代表される予言者の『終末論』なるものが、世紀末に実現した痕跡はまったく爪の先の土埃ほどにも存在しない。

空から恐怖の大王が降臨すると言う二〇〇〇年以後、キリスト教系の信者による個別訪問布教活動は確実に減った。どうやら彼らこそが、神によって最も救われなかった人々なのかも知れない。

しかしマヤ歴は、古代人が高等な星の観測によって導き出した暦なのだ。確かに人類の終末予言ではなかったが、実は別の意味で暦の予言は実行されたのである。実のところ寄生獣による人類侵略が、本格的に開始された日がこの日なのである。奴等は大集団でふたご座α流星群に紛れてやってきた。マヤの長期歴の予言による宇宙終焉の日であり、今となっては「集団的異星獣襲来記念日」という訳だ。

この時の奴らはペルー提督の黒船とは違って十五種族もいた。だいたい一種族あたり三から四匹の代表的異星獣の集団だった。彼らは躰こそ小さいが、小さいなりの高等な知恵を有している。つまり自己認識力に長けている異星獣と言えよう。奴らの先行調査隊は、太古からこの地球上にやってきていたのだ。少数ではあったが、ゆっくり時間をかけて人類の進歩を促した。長期的展望で人類の進化を待ち、その計画の裏に大きな野望を企んでいたのだ。

地球上の恐竜を絶滅に追い込んだのも、実は奴らの祖先だ。日本には神話の時代にやって来たようだ。アマテラスオオミカミやスサノノミコトは、彼らの存在が作り上げた話である。

彼らの祖先はそんな前から人間と密かに共存して、ゆっくり慌てずに時を作ってきたのである。その方法は一部の人間の脳内に寄生し、人間社会をコントロールしてきたのであった。

そして現人類の崩壊へのカウント・ダウンは、実質二〇一二年十二月二十一日から、第2章が開始されたという訳だ。だから我々は、地球上の人間になりすましている奴らを見つけ出して、秘密裏に抹殺しているのである。 

 

・・・Also next time  R2/6/20()

 




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プロフィール

そら てんご

Author:そら てんご
創作小説を書いています。生まれながらの龍馬おたくでウツ病作家をめざしています。ながく京都に住んじょります。主にSF小説が多いです。このブログはフランクに日常を語っていこうと思うちょります。宜しくお付き合いください。

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